~ 1365円の投資 ~
2004年秋。
私は中国語検定の準4級に合格した。
中国に興味があったわけではない。
確かに三国志は好きだが、あくまで御伽噺として読んでいただけである。また大学の専攻が中国語だったわけでもない。
(そもそも専門学校卒であり、大学は通信教育だ)
『日経ソフトウェア』という雑誌が原因だった。
『オフショア開発』が特集されていたのだ。
「オフショア」とは、人件費の安い国のプログラマにプログラミングをしてもらい、日本では指示と管理を行う開発手法である。
オフショアとして選ばれる国といえば中国が多い。
そんな記事を目にし『この閉塞感を打破するには、海外の知識』と考え、中国語の勉強を始めたのだ(ちなみにここでの「閉塞感」は、日本とかIT業界とかではなく、あくまで私個人の・・・である)。
2004年8月。
北海道とはいえまだ暑さが残るある日、妻に『これからは中国なんだって』と喫茶店で話をした。
人間というのは誰からに話すことにより決意が固まる。
「なんとなく中国」と考えていたのだが、声に出すことにより思いが具体的になる。
その日の夕方にネットの掲示板で「中国語を教えます」というタイトルの記事を発見。
その一ヵ月後に中国語を習い始めた。
「アスティ45」という札幌駅近くのビルの地下で、週に一度中国語を教えてもらうことになったのだ。
中国語教室も検討したのだが仕事が忙しく、定期的に通う自身がなかったので、中国語が得意な人に安く教えてもらおうというわけだ。
それに加え分厚いテキストも購入し、3ヶ月の勉強のすえ、準4級に合格。
ちょっと勉強すれば合格するのだが、とはいえ知識ゼロ、それこそ「ニーハオ」しかわからない状態からの合格だったため非常にうれしかった。
しかしそれも長くは続かなかった。
それほど中国に興味があったわけではないので、仕事との両立が苦痛になったきたのだ。
私は準4級の合格を最後に、中国語の勉強を完全にストップした。
とはいえ「海外から学ぶ」ことについての興味は消えていなかった。
安易ではないかとも思ったが、英語を勉強することにした。
(その英語の勉強も結局は2ヶ月程度でやめることになるのだが・・・)。
どのように勉強すればいいのか。
英会話スクールは前述のような理由で、とても通えない。
劣悪な仕事環境は、成長の機会すらも奪っていく。
そこでネットでいろいろ調べた結果、神田昌典という人の「お金と英語の非常識な関係」という本が面白いという情報をつかんだ。
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翌日、英会話スクールの体験入学に行く前に、大通りの書店で購入した。(英会話スクールに通うつもりはなかったのだが、ただで勉強できると思い、体験入学に申し込んだのだ)
そして・・・このわずか1365円程度の投資が、人生でもっとも投資効率がよい決断だったことになるのだが・・・まだこの時は、そんなことは微塵も感じていなかった。
2005年4月の出来事である。
(続く・・・)
お金と英語の非常識な関係(上) 神田昌典&ウィリアム・リード、スペシャル対談CD付き
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