デジタルプランニング株式会社

マーケティングに新発想を

石田の独立までのストーリー15

約4分

今日も1通、相談メールが届きました。

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私のメールボックスには、たくさんの相談メールが届く。

『プログラマを「使い捨て」と考えている現状には、もう我慢できません』

『子供が2人います。私も独立して、子供ともっと関わりたいんです』

『社長から「ボーナスをもらったことにしてくれ」と頼まれました。実際はここ数年もらってません。』

2012年6月。独立から5年が経とうとしていた。

現役プログラマからの相談メールがたくさん届いている。

私も以前は同じような悩みを抱えており、そこから逃げるように独立した。
そのためできるだけ力になってやりたかった。

そんなこともあり現在、才能がありそうなプログラマ数名と、ソフト開発プロジェクトを進めている。

そろそろポツポツとリリースされるタイミングである。

私は思い出していた。
ちょうど6年前、初めての自作ソフトウェア「アクセス解析の達人」リリース直前のことを。

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(ふたたび2006年3月)

『ダメかぁ・・・』

大きくため息をひとつつく。

2月に、目標を大きく超える5万円の利益を手にしていた。
3月も、前半は順調であった。

『このままだと、3月も5万円は余裕だな』

そうタカをくくっていた。

しかし中旬になってプツリと売上通知メールが届かなくなる。

私の携帯に届くのは『今日は何時に帰るの?』という妻からのメールだけとなった。

売上がとまった理由はわかっていた。
広告の効果が切れたのだ。

人気のIT系メルマガに、引き続き広告を出稿していたのだが、徐々に効果は落ちていた。

広告→無料サンプル→セールス

この流れは鉄板だと思っていた。
しかし無料サンプルの請求が思ったように伸びない。
当然セールスをしても、売上はあがらない。

そのような事実は把握していたのだが、いったいどうすれば解決できるのだろうか。

『他のメルマガをさがしてみようか・・・』

他の人気メルマガに広告を出してみようと考えたのだが、なかなか見つからない。

5誌ほど候補を捜し当て、そのうち2誌に出稿してみたが、ほとんど反応がなかった。

2月の売上は、無駄な広告費に消えていった。

せっかくの儲けが消えていくのは、自分の体の一部が失われていくような恐怖がある。
まさに「身銭を切る」という感覚だ。

これ以上経費を使うわけにはいかない。
なんとかお金をかけずに売上を上げる方法を模索していた。

とはいえ2006年3月は、48000円の利益を出すことができた。
しかしおそらく4月は半分以下となるだろう。

私は気持ちを切り換えることにした。
『半分といっても2万円を超えている。2月の目標は2万円だったのだから、状況としては悪くない。』

そう考えると気持ちが落ち着いてきた。

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会社帰り。
ふと立ち寄って書店で、ある本を手にした。

気になる本があるとそれを手にとり、情報を集めることが日課になっていた。

目次を眺めた時、あるワードが目に飛び込んできた。

『インターネットで売れるもの』

すぐにそのページを開く。

『ノウハウを売る』という章には「ノウハウをPDF化して売ることで、コストがかからない」と書かれていた。

なるほど。いままでやってきたのはCDであるため、コストがかかる。PDFファイルだとメールで送ったり、ダウンロードしてもらうだけだからコストはかからない。

『ダウンロード・・・』

そのときあるアイデアが降ってきた。

『ダウンロードしてもらうといえば・・・ソフトはどうだろうか?』

インターネットでダウンロードするといえば、デジタルコンテンツであるソフトウェアでも可能だ。

自分でソフトを作り、購入者には勝手にダウンロードしてもらう。
入金があった人には定型文のメールさえ送ればいいから、ほとんど手間はない。

『これだ!』

私は手にしていた本を戻し、小走りで帰路についた。

自作ソフト販売によって、会社の給料を超える副業収入を得るまで・・・
あと4ヶ月。

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