今日も1通、相談メールが届きました。
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私のメールボックスには、たくさんの相談メールが届く。
『プログラマを「使い捨て」と考えている現状には、もう我慢できません』
『子供が2人います。私も独立して、子供ともっと関わりたいんです』
『社長から「ボーナスをもらったことにしてくれ」と頼まれました。実際はここ数年もらってません。』
2012年6月。独立から5年が経とうとしていた。
現役プログラマからの相談メールがたくさん届いている。
私も以前は同じような悩みを抱えており、そこから逃げるように独立した。
そのためできるだけ力になってやりたかった。
そんなこともあり現在、才能がありそうなプログラマ数名と、ソフト開発プロジェクトを進めている。
そろそろポツポツとリリースされるタイミングである。
私は思い出していた。
ちょうど6年前、初めての自作ソフトウェア「アクセス解析の達人」リリース直前のことを。
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(ふたたび2006年3月)
『ダメかぁ・・・』
大きくため息をひとつつく。
2月に、目標を大きく超える5万円の利益を手にしていた。
3月も、前半は順調であった。
『このままだと、3月も5万円は余裕だな』
そうタカをくくっていた。
しかし中旬になってプツリと売上通知メールが届かなくなる。
私の携帯に届くのは『今日は何時に帰るの?』という妻からのメールだけとなった。
売上がとまった理由はわかっていた。
広告の効果が切れたのだ。
人気のIT系メルマガに、引き続き広告を出稿していたのだが、徐々に効果は落ちていた。
広告→無料サンプル→セールス
この流れは鉄板だと思っていた。
しかし無料サンプルの請求が思ったように伸びない。
当然セールスをしても、売上はあがらない。
そのような事実は把握していたのだが、いったいどうすれば解決できるのだろうか。
『他のメルマガをさがしてみようか・・・』
他の人気メルマガに広告を出してみようと考えたのだが、なかなか見つからない。
5誌ほど候補を捜し当て、そのうち2誌に出稿してみたが、ほとんど反応がなかった。
2月の売上は、無駄な広告費に消えていった。
せっかくの儲けが消えていくのは、自分の体の一部が失われていくような恐怖がある。
まさに「身銭を切る」という感覚だ。
これ以上経費を使うわけにはいかない。
なんとかお金をかけずに売上を上げる方法を模索していた。
とはいえ2006年3月は、48000円の利益を出すことができた。
しかしおそらく4月は半分以下となるだろう。
私は気持ちを切り換えることにした。
『半分といっても2万円を超えている。2月の目標は2万円だったのだから、状況としては悪くない。』
そう考えると気持ちが落ち着いてきた。
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会社帰り。
ふと立ち寄って書店で、ある本を手にした。
気になる本があるとそれを手にとり、情報を集めることが日課になっていた。
目次を眺めた時、あるワードが目に飛び込んできた。
『インターネットで売れるもの』
すぐにそのページを開く。
『ノウハウを売る』という章には「ノウハウをPDF化して売ることで、コストがかからない」と書かれていた。
なるほど。いままでやってきたのはCDであるため、コストがかかる。PDFファイルだとメールで送ったり、ダウンロードしてもらうだけだからコストはかからない。
『ダウンロード・・・』
そのときあるアイデアが降ってきた。
『ダウンロードしてもらうといえば・・・ソフトはどうだろうか?』
インターネットでダウンロードするといえば、デジタルコンテンツであるソフトウェアでも可能だ。
自分でソフトを作り、購入者には勝手にダウンロードしてもらう。
入金があった人には定型文のメールさえ送ればいいから、ほとんど手間はない。
『これだ!』
私は手にしていた本を戻し、小走りで帰路についた。
自作ソフト販売によって、会社の給料を超える副業収入を得るまで・・・
あと4ヶ月。
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