デジタルプランニング株式会社

マーケティングに新発想を

石田の独立までのストーリー20

約6分

6年前。2006年7月。

サラリーマンであった私は
失意のどん底にいた。

  • ”あらかじめ決められた期日より「早く完成」したらダメ。”
  • ”一ヶ月に180時間仕事しないとだめ。2月でも無関係に180時間”
  • ”昼休憩は50分。”
  • ”偉ーい役員がお客さんと行った打ち合わせ。その齟齬による納期遅れは
  •  末端のプログラマのせい。「死人に口なし」とばかりに他へ異動させる。”

なかでも意味がわからな過ぎで笑ってしまった、酷い打ち合わせがあった。

役員S「これからスケジュールを決めます」

そういってSがホワイトボードに書いたのは、
こんな役割分担だった。

  • ・要件定義:役員S
  • ・設計書作成:T
  • ・データベース設計:役員S
  • ・開発:A、B、C、石田

私は先輩であるTさんにこっそり聞いた。

石田「Sさんって、データベース設計できるんですか?」

T「できない(キッパリ)」

このとき私は「できないなりに、調べるなりして完成させるのだろう」
と思っていた。

しかし・・・何事もなかったのようTさんがデータベース設計を
行なっていた。

ソフト開発会社といえでも、ほとんども役員はエクセルとかしかできない。
WORDで文章を打つことはなんとかできる。
その辺のおじさんたちと、PCスキルはそれほど変わらないことも多い。

Sさんもそうなのだ。なのになぜ、高いスキルを要し、さらにシステムのクオリティ(早く、正確に)を左右するような「データベース設計」を「俺がやる」と言い出したのだろう。

いまだに謎である。
朝から晩まで、1年365日がこんな感じの生活に疲れていた。

「しょうがない」で済ますことも可能だった。

しかし私はすでに、曲がりなりにも自分で商品を作り、自分の力だけで販売し稼いでいたのだ。
「早くこの生活から抜けたい」という気持ちが日に日に強くなるだけだった。
2006年7月に高機能アクセス解析ソフト「アクセス解析の達人」を開発。
先進的な機能が満載だった。

そして、アクセス解析の活用に関する有益な無料レポートを執筆。
自分のサイトで告知した。
ネット集客の方法はある程度ルール化されている。
多くの業種の場合、以下の方法でいけてしまう。

  1. ホームページを立ち上げる  
  2. 無料オファーを用意し、メルマガ読者をたくさん集める
  3. メルマガで有益な情報を定期配信する
  4. 信頼関係ができたあとにセールスする

第一関門はアクセス数だ。

ホームページを立ち上げたところで、すぐに毎日100人が訪れてくれることなどありえない。

最初は検索しても表示されないところから始まる。当然アクセスはゼロ。
2週間くらいしてポツポツとアクセスが着始め、徐々に増えていくのだ。

ホームページに、検索エンジン経由でアクセスを呼ぶにはSEO対策が必要となる。
いろいろ深いノウハウがあるが、まずは”有益な情報を「キーワードを意識しながら」書く”。
これで十分だ。

「キーワードを意識しながら」というのは、たとえばダイエット食品を扱っているサイトなら
「痩せる」とか「メタボリック」というワードを意識的に入れていくのだ。

そうすることでGoogleとかYahooは「このサイトは”痩せる”とか”メタボリック”などなどを扱っているサイトだ」と認識するのだ。この辺は多きに機械的なのである。
私が当時立ち上げた「アクセス解析の活用法」に関するサイトも、これを意識した。

「アクセスを増やす」とか「アクセスアップ」「SEO対策」「マーケティング」などのワードを意識的に入れて記事を書いていった。

現在であれば間違い無くWordPressを使うべきである。これはブログのソフトだ。自分のサイトにブログを組み込むことができるのだ。
これを導入し、記事を書いていく。原則これでアクセスが来るようになる。

2006年当時、私はそんな知識がなく(WordPressが存在していたのかも不明)、コツコツと「メモ帳」などで記事をアップしていた。
それでも2ヶ月もするとアクセスが50を超えだした。

そのサイトで無料レポートの告知をし、そしてレポート請求者にメルマガを発行する。
そんな戦略を立てていた。
私は考えた。

『毎日10人くらいが無料レポートを請求してくれるだろう
そして、そのうち3人が買ってくれるとすると・・・』
これがもし達成できれば毎日16000円程度の利益を獲得できる。
一ヶ月で45万円超えるだろう。そうなれば楽々と生活していけるではないか!

「独立起業」という言葉がいよいよ現実味を帯びてきていた。
50ページの無料レポートを無料ソフトを使いPDF化する。
1万円のメルマガ配信ソフトを買い、”メルマガ購読すると無料レポートをダウンロードできる”ようにした。
しかし1週間後。皮算用は見事に外れることになる。

アクセス数は計算されたかのように毎日50程度だった。
しかしメルマガ購読者は1週間で10人。予定のわずか14%だ。
さらに悲惨なのが購入者だ。予定では33%の成約率だったのだが・・・結果はゼロ。

私は愕然とした。しかし「愕然」には慣れている。そして何度もそれを乗り越えてきた。
ホームページの文章を変えるなど工夫をしてさらに1週間様子を見てみる。

だが・・・結果はそれほど変わらなかった。

「何が悪いのか・・・?」

いや、こんな時には前向きに考えなければならない。
レポート請求者数(=メルマガ購読者数)は、50人に2人程度。つまり4%となる。
この4%という数字は果たして低いのか?もしかしたらこの程度が一般的なのかもしれない。
そうなると必要なのはアクセス数だ。

毎日50アクセス。これをまずは100にしてみよう。そう考えたのだ。

そのためには・・・もう1つサイトを立ち上げるのだ。

1つのサイトのアクセス数を2倍にするのは大変だ。
しかしもう1つ立ち上げて、そのサイトのアクセス数を50にするのであればいけそうな気がした。

それでももしアクセス数が足りなければ、さらにサイトを3つほど立ち上げればいいのだ。

つまり1サイトで100アクセスではなく、複数サイトたとえば5サイトで100アクセスにすればいい。
そのほうがよほど楽なのではないかと考えた。
(そしてそれは正解だ)

どんなサイトを立ち上げようかと検討していた最中、まったく別の方法で、私の無料レポートは爆発的にダウンロードされるようになる。
なんとわずか一ヶ月で3000を超えることになる。

その方法とか・・・。

(続く)